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「月の紋章の始祖シエラ長老だ。――俺を滅しに来たらしい」
「何だって？ おいあんた、こいつに何かしたら許さないからな」
テッドが僕の前に立ち塞がった。
ソウルイーターの気配が辺りを包む。
「ほう……」
長老はその気配の正体に気づいた様子で少し目を細めたが。
「そこを退くがいい、小童。これはわらわとこやつとの問題だ」
「そうは行かない。こいつは俺の相棒だ。血が必要なら俺がやる。見逃してくれないか」
「ふむ……」
長老は僅かに考える間を挟んで。
「よかろう、それ以上〝呪い〟を広めず、こやつ以外の血をすすらないと言うのなら今は見逃してやろう」
「ありがとうございますシエラ老」
俺は軽く頭を下げた。
「じゃがもしも〝呪い〟を広めるような真似をしたならば……」
「解っています」
「ではな」
長老は興味を失ったように出て行った。
「ありがとうテッド」
「当然だろ」
テッドはそう言って笑った。