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ＣＡＳＥ・１～訪問～
数日後、リアンは、交易のためグレッグミンスターへ向かうと言った。
「フッチ、サスケ、悪いけど付き合ってくれる？」
「……仕方ねぇなぁ……けど、アイツも来んのか？」
リアンの誘いに、いかにも仕方なさそうに応じるサスケ。しかし、言うほどには、パーティに誘われることを嫌がっていないのは、一目瞭然だ。
「ルック？ ……うん、誘うつもりだよ」
リアンの言葉にサスケは釘を刺す。
「協力攻撃は御免だからな」
「解ってる。……フッチは？」
と、リアンはフッチに話を振った。
「……僕も行きます」
多分、何もしないよりは、いいと思うから。そう思い、フッチも了承した。
だが、やっぱりと言うか、ルックには、あっさり断られた。それも、他に用があるとかいう理由で。逃げるのか、などと問い詰めたサスケは、きっちり反撃を食らい、凍った視線で『用があるんだよ』と言い捨てられた。
その後、ルックは本当に出かけたらしく、仕方なく彼抜きでグレッグミンスターへ向かった。
けれど、屋敷にいたのは、〝彼〟以外の住人のみ。どうやら〝彼〟 は外出中らしい。
金髪録眼の付き人――グレミオが、一行を迎えた。
「それにしても皆さんおそろいで……何かあったんですか？」
「「「え？」」」
三人の声が見事にハモった。グレミオは話を続ける。
「いえね、先日から坊ちゃんの様子が少し……何か考えていらっしゃるようでしたから」
「…………」
その言葉に、一行は顔を見合わせて沈黙したが、リアンがその沈黙を破って尋ねる。
「どこに行ったか、解りますか？」
「残念ながら、私も知らないんです。……そのうち、戻って来ますよ」
「少し、待たせてもらってもいいですか？」
「ええ、勿論ですよ。少し……時間がかかるかも知れませんけど」
食い下がったリアンに、グレミオは微笑んでそう答えた。
こうして一行はマクドール邸に居座ることとなった。