(P3)
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はぜる火の音と共に見張り番をしていたルイはデュオンとテッドの二人に視線を向ける。
複数の紋章が協力した結果とはいえ、テッドの魂は未だソウルイーターの影響を免れない。
其の力は未だにソウルイーター内にあり、復活は、ソウルイーターによる、不安定な実体。 僅か程度ではあるが魔法的な香りもする。
「（だけど信じているよ。君達が望む応えを手に入れられる事を）」
紋章さえ手放さなければ、恐らく普通に暮らせるだろう。
ソウルイーターの性質を押さえる事さえ出来るのなら。
「（きっと二人でソウルイーターの主になれる）」
そう、〝生〟の部分を引き出すことが出来た君なら必ず。
「ねぇ、あんたは馬鹿だと思う？」
「ルックくん」
何時の間に起きていたのか、冷めた眼差しがルイを見ていた。
「折角の真の紋章をわざわざ弱める様なマネをしてさ。あれじゃ、二人でなきゃ他の真の紋章には勝てないよ」
「この二人なら大丈夫だよ。君もそう思ったから協力したんじゃないのかい？」
「全く馬鹿ばっかりだよ。本当、親友殿しか見えてないんだから」
「そうかな？ 君の事を信用しているから真っ先に協力を頼みに来たんじゃないのかな」
「……そんな事無いよ。他に在なかっただけだろ」
「僕なんかソウルイーターの噂を聞いてこっちに来なかったら、出逢う事すら無かったかもな」
「……親友殿の知り合いだったから、手伝いに来た訳？」
「本当はテッドを探したかったんだけどね。デュオン＝マクドールって子が引き継いだって聞いたから、探しに来たんだ。四年も掛かったけどね」
「ふぅん」
「僕は、テッドくんにまた逢えて嬉しいよ。例え、どんな出逢い方だとしても。きっとこの二人なら大丈夫だと思ったから」
「……」
「さて、明日はグレッグミンスターに向かうんだろう？ 君もそろそろ休んでおいた方がいいよ」
「……そうさせてもらうよ」
グレッグミンスターのマクドール邸で一行が熱烈歓迎を受けたのは其れはまた別の話――。