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私の呟きに応える様にランの声がどこからか聞こえた。
『無様だろう……力におぼれた結果がこれだ」
「ラン！！ どこにいる！？」
『全てを壊して……なんにもなくなった世界が見てみたかった……
其れは何処か哀しい言葉だった。」
「ラン……」
『悲しみのない世の中、みんなが平等な世の中……そんなの綺麗事に過ぎない。いっそのこと全て滅びて再生させたほうがいい』
ランの言葉に、私は普段は話さない胸の内を話していた。
「なぁ……ラン、わたしたちは他の道を探せなかったのだろうか……力で制圧するのではなく……もっと他の……」
『それが綺麗事なんです。人間達は愚かだから……全て消滅して、無からやりなおさないと変わることなんてできないんですよ』
「それは……」
あながち否定も出来ない。だが……。
『でも……あなたならできるかもしれないですね。白い翼も黒い翼も人間も、みんなが幸せに暮らせる世界を造ることが。
その世界をあなたの隣で眺めるのも悪くはないとおもったのですが……。
もうあなたを私から解放してあげますよ。あなたはあなたの思う道を進めばいい』
「何を言ってるんだ！ 共について来てくれるんだろう！？ 今までのように……！
わたしたちは気の遠くなるような膨大な時間を一緒に生きてきたじゃないか！」
『わたしは長く生き過ぎて……少し疲れてしまった。今とても静かな気持ちなんだ……そろそろ眠りたい。ようやくわたしも無に帰ることができる』
「ラン！」
『さようなら……レイヤード……』
「ラーン！！」
私の呼び声だけが空間に響き渡って行った……。