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変わり始めた心～来栖編～
その日、その時からオレは、闘い方が変わった事を自覚していた。
仲間との協力、そして味方を庇う闘い方へと。
「――無茶をしますね、貴方らしくも無い」
御園生の言葉に、肩で息を吐いて答える。
「ああ、俺自身、自分の熱血ぶりに驚いてるさ」
だが、其の理由は、解っている。
自分の中の、気持ちに、気付いている。
「――けどな、お前達は、俺が失くした過去の欠片だ」
幸せだった頃の、平和だった頃の置き土産。
過去の形見、光の片鱗。
「え？」
「ロベール叔父さんが、真理さんが、命を懸けて護った、俺の、唯一の〝仲間〟だ」
「逢坂さん――」
「……やっと、見付けたんだ。あの頃、為す術も無く失くした、〝護りたい〟と思える何かを」
一つ一つ、自分の気持ちを確かめる様に、言葉を紡ぐ。」
「この翼が、敵を引き寄せ、誰かを遠ざけるのだとしても――構わない。
俺は、もう二度と――かけがえのない大切な者を失いたくない」
「逢坂さん……」
御園生は少し戸惑ったように視線を外した後、ため息をついて。
「解りましたよ、勝手にやって下さい」
「素直じゃねーのな」
「放っといて下さい」
ふいと顔を背ける御園生にオレは微かに微笑った。