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「……グレミオ……？」
目の前の光景が信じられなかった。
グレミオが、立って、そこにいる。
「ディー様」
「グレミオ、本物？」
思わずその耳を引っ張った。
「え、ええ……そうだと思いますが。一体何が起こったのでしょう？」
「皆のお陰だよ……お帰り、グレミオ」
そう言って肩を叩いた。
「た、ただ今戻りました……」
グレミオも混乱しつつもそう答えてくれた。
そしてボクは皆を振り仰ぐ。
「みんな！ 力を貸して！ グレッグミンスターへ向かう！」
最終決戦への支度をしていると、アレンとグレンに声をかけられた。
「ディー様、大丈夫ですか？」
そう言って来たのはグレンだ。
「ん、まぁ……ちょっと混乱してるけどね」
ボクはなるべく軽く聞こえるように肩をすくめた。
「お友達の事は……」
「ヤだなぁ、グレンは。相変わらず痛い所を突く。でもさ、ボクは喜びたいんだ。たった一つでも……取り戻せたこと」
本当は……テッドを取り戻せなかったことはものすごく辛いんだけど。父上と闘ってまで選んだ道だったから。だけど、それでも家族であるグレミオを取り戻せたことは喜びたいんだ。家族と親友……どっちが大事かなんて……今は考えたくなかった。
「ディー様……」
グレンが複雑そうにつぶやく。
「ディーノ殿、我らテオ様の遺言により、味方いたします」
「アレン」
どうやらアレンは吹っ切って味方してくれる気になってるみたいだ。
「ありがとう」
差しだされた手を握りかえし、ボク達は握手を交わした。
「絶対に勝とう」
「ええ、勿論」