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２日目、昼１〜転居〜
サクヤさんに屋敷までの移動を電話で頼んでみると、夕方までには戻れると言う事だった。
何者とも知らない女の子と住むと言ったら、ちょっとだけ叱られてしまったけれど。
烏月さんの部屋に行って見たけれど留守の様だった。
わたしはメモを扉に挟んでおく事にした。
『羽様の屋敷に移ります――桂』と。
それからわたしは悩んだ末、一文を書き足した。
『オハシラサマの御神木の所で烏月さんの尋ね人であるケイくんに会いました』――と。
お昼を町の定食屋さんで済ませ、夕方サクヤさんの車で屋敷に戻ると、何だか違和感。
何と電気が付いていた。
「ここって電気来てたっけ？」
疑問をぶつけると、葛ちゃんが電気と水道を引っ張って来たそうな。ガスだけはボンベ支給タイプだったので駄目だったそうだけど、どうやったのかは余り考えない方がいいのかなぁ。
何かあった時、矢面に立たされるのってわたしだし。
どうやらこれが葛ちゃんの小悪魔的プロジェクトの正体だったらしい。
葛ちゃんとサクヤさんがお互い自己紹介をすると、何だか微妙な反応だった。
「葛……？」
「……浅間？」
「二人ともどうかしたの？」
「ああいや、昔お世話になった所に、そういう名の跡継ぎがいたなあってさ」
「いえいえ、こっちは単なる勘違いでして」
「ふぅん……？」
２日目、夜１〜秘密〜
「所でサクヤさん、ケイくんって知ってる？」
「何だい薮から棒に」
「ケイくんが烏月さんに絶交されたんならサクヤさんを頼れって言ってたから。何で？」
絶交されてしまった時の、ぶり返す胸の痛みに耐えながらそう訊くと。
「そりゃ、あたしはあんたの保護者みたいなものだしねぇ」
「でも、ケイくんには双子の鬼の事も話したんだよ？ その上でサクヤさんを頼れって言われたんだよ？」
「……」
困った様な沈黙の後。
「あんたはあんたの心配だけおし。狙われてるのはあんたなんだからね」
――見事にはぐらかされてしまった。
その後は、葛ちゃんも一緒にトランプをしたりして、のんびり過ごした。
そして、夜。
一緒の部屋でもいいって言ったのに、葛ちゃんは部屋は一杯空いているからと奥の部屋に引っ込んでしまった。
わたし、そんなに寝相悪そうに見えたかなぁ？
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